美容師にとって訪問美容のやりがいって何だろう?
先日、主人と施設の訪問美容に同行して、ふと思いました。
伺った施設は比較的要介護度の高い方が入居する特別養護老人ホーム。
その日カットさせていただいたのはリクライニング式の車いすを使用していて、声掛けへの反応もあるかないかというような状態の方がほとんどでした。
いろんなバリエーションの車いすの操作をマスターしている主人は、その日も職員さん顔負けなほどに車いすのヘッドレスト(頭を置くところ)を外したり向きを変えたり操作しながらテキパキとカットをしていました。(素直にスゴいと思います・・・)
予定していた入居者さまのカットが無事にすべて終わり、帰りの車の中で私が疑問に感じたことを主人に聞いてみました。
「訪問美容のやりがいって何?」
私が訪問美容のやりがいについて聞いたのには理由があります。
それは、訪問美容はサロンでの美容サービスと全然違うと感じたからです。
主人も訪問美容を始める前はごくごく普通のおしゃれサロンで働いていました。
サロンではおしゃれなヘアスタイルだったり流行のスタイルだったりを日々研究してお客様に提供していたわけですが、訪問美容にサロンのようなおしゃれで最先端な流行スタイルを求められることはまずありません。
コミュニケーションが取れない方もたくさんいらっしゃるので、その方がどんな髪型にしたいのかわからないこともしょっちゅうです。
寝たきりに近い状態の利用者さまは、横になっている時間が長いためスプレーで水をつけてもなかなか直らないような寝ぐせがついていることも多いです。
サロンでの仕事と180度違うと言ってもいいくらいの訪問美容の仕事。
主人は普段どんなことにやりがいを感じて訪問美容の仕事をしているのだろうか?と思ったのです。
私の質問に彼はこう答えました。
「やっぱり”ありがとう”って言われたときは嬉しい。」
うん、それは分かる。
「でも、いつも言ってもらえるわけじゃないし、言えないお客様もいるよね?それ以外は何かあるの?」
彼は続けて言いました。
「うん、そうだねー。反応がないお客様でもカットしてさっぱりしたら嬉しく思ってくれてるんじゃないかなーって思ってカットしてる。」
「なかなか取れない寝ぐせがあったり、髪が伸びてボサボサになってたりするお客様がほとんどだけど、きっと綺麗にしたいって思ってるんだろうなって。」
「だから自分は寝ぐせが直らなくなってるときなんかは、多少左右の長さが違ってもクセがついた状態で左右のバランスが合うようにカットしたりする。その人の今の髪の状態で、今より良く見えるようにすることを大切に思ってる。自分がカットすることでそれが出来たとき”良かった~!”って思う。」
「その人がしゃべれなかったとしても、きっと”髪の毛綺麗にしてほしい”って思ってると思うから。そういう気持ちでいつもカットしてる。」
主人は口下手ですが訪問美容への想いがすごく伝わってきました。
訪問美容師として彼なりにやりがいと熱い想いを持って仕事をしてくれていることを知りました。
これからも頑張って! by 妻
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